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コラム連載

「あなたは買えません-配達履歴という与信-」第2回

2020年7月9日 (木)

話題永田利紀氏のコラム連載「あなたは買えません-配達履歴という与信-」の第2回を掲載します。

第1回掲載(7月6日)▶https://www.logi-today.com/384920

第2章- 私の履歴

ECサイトなどではどこもあたりまえのように「購買履歴」が個人のアカウント内で閲覧できる。商品名・個数・色やサイズ・価格に購入年月日、などの情報が並んでいる。

サイト管理者は、その情報をサイト運営上の品質やサービス向上のためにさまざまな加工や分析を行っているのだという。

■ もっとあるはずだが

一方、配達履歴の詳細は割愛されることが多い。たとえば「再配達数」「不在の長期化によるキャンセル」などが表示されることはない。マイページで閲覧できる情報量の肥大を抑制するために、一定の限度を設けているのだろう。

しかし、それらの情報は配送会社や販売会社のデータベースから消除されているのだろうか。回答を求めれば、「一定期間経過をもって、全情報は消去いたします」との内容が圧倒数を占めると推測するが、本当に「すべて」なのかは疑問が残る。

■ 良い客と悪い客

(イメージ画像)

消費関連業界では、金融に代表されるように、個人の与信情報やトラブル、不払いの履歴が同業者間で共有されるか、しかるべき第三者機関が情報集約管理している。その中身は顧客のランク付けや要注意者の選別につながる。いわば自衛手段というわけだ。

冷静に判断しなければならない点は、それら情報のすべてが客観的な「正義」や「正当な理由」に拠るものとは限らないという点だろう。あくまで評価する側の正義や正当理由であるにすぎず、開示されことがないままに共有されているので、異議や訂正を申し入れる機会さえないことも珍しくない。ネットワーク上の「悪い客」は、情報提供企業にとって「都合の悪い客」である可能性もはらんでいる。「良い客」についても同様の脚注が付されてしかりだろう。

■ 白黒はっきりとは限らない

(イメージ画像)

たとえば、代金引換で購入した商品を受領する際に、クレジットカードの決済不可状態が二度続いたならば、事の是非がわかりやすい。その購入者は二回目の決済不可時から「悪い客」として扱われることになる。往復の送料と荷役コストは往々にして販売者が泣き寝入りすることになるし、「ダメ元」承知の確信犯なのではないか、という猜疑も沸く。

では、配送不在率・再配達率・不在長期化による返品回数などはどうだろう。日時指定の有無、不在票への連絡の有無、再配達時の不在、受取拒否――これらの頻度や発生率の評価基準や、開示された信頼できる平均値は存在しない。

「三回続けて不在のまま音信不通なのは悪い客」「三回ぐらいの不在は許容範囲内なので、悪い客とは呼ばない」など、受け止め方は事業者それぞれに異なる。「私は悪い客ではないはずだ」という本人による評価の正誤については、次章以降で考察してみたい。

第3回(7月13日公開予定)に続く

第1回:https://www.logi-today.com/384920

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