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「営業している非営業倉庫」番外編コラム第1回

2020年10月15日 (木)

話題営業倉庫は登録制である。当たり前のことだが、当事者はその例外が数多く存在していることを知っている。営業倉庫制度の歪みに切り込む永田利紀(LogisticsToday企画編集委員)の番外編コラム3回シリーズ第1弾。

第1章- 倉庫業法と営業倉庫

■ 倉庫業と営業倉庫

(イメージ画像)

説明するまでもなく、倉庫業法に定められた「営業倉庫」登録は、倉庫業を営む者にとって必須の要件だ――と、もうこの段階でキーボードを打つ手指が止まりそうになる。なぜなら必須要件は必達要件ではない「実態と放置があたりまえ」の現状を想うからだ。「営業している倉庫は必ずしも営業倉庫ではない」という謎かけのような言葉を、業界内外の誰もが理解できるように書いてみたい。

■ 既存不適格

建築の用途地域にまつわる、接道や建蔽率・容積率・建物種別などの説明でよく登場するのは「既存不適格」だが、平たく言えば「現状は違法状態だが、すでにあるものは仕方ないので認めましょう」ということだ。非営業倉庫の現状もまさにこの状態だ。建築と違うのは、国土交通省が「認めてはいない」というところなのだが、その先の議論や検証を続ける者はいない。

■ 大人の言葉

(イメージ画像)

この議論に対し、「もしも国交省が本気で非営業倉庫を調査し、未登録物件に業務停止などの行政処分を行えば、国内の物流機能がパニックに陥ることは明白だ」と答えるのが大人の分別なのかもしれないし、仮に議論を求めても「弾力的・大局的・長期的」に「視野」「判断」「対応」あたりの言葉を組み合わせた、なじみ深い回答が返ってくるだけだろう。

現状の不適格を暗黙許容せざるを得ないことは、監督官庁が一番心得ているはずだ。
ここまで野放しにしていた結果が現状を生んでいるのだから、黙認のまま無登録建屋の減少を見守るしかない。使用不能なほど古くなったら取り壊すだろうし、土地の別利用が決まれば、建屋は倉庫ではない建築物に変わる。「放置して自然減少・消失を待つのが、ある種の軟着陸」という方便も見え隠れしている。

それはそれで現実的で具体化可能な方策として理解できるし、いたずらに批判や異論をはさむつもりもない。ただ単に「そんな暗黙と意図的看過ありきの持久戦ではなく、思い切って変えてしまえばいいのに」という思いが強まるだけだ。

―第2回に続く

永田利紀氏の寄稿・コラム連載記事
■連載
コハイのあした(連載9回)
https://www.logi-today.com/361316
BCMは地域の方舟(連載3回)
https://www.logi-today.com/369319
駅からのみち(連載2回)
https://www.logi-today.com/373960
日本製の物流プラットフォーム(連載10回)
https://www.logi-today.com/376649
もしも自動運転が(連載5回)
https://www.logi-today.com/381562
あなたは買えません(連載5回)
https://www.logi-today.com/384920
物流人になる理由 (連載中)
https://www.logi-today.com/400511
■時事コラム
“腕におぼえあり”ならば物流業界へ
https://www.logi-today.com/356711
-提言-国のトラック標準運賃案、書式統一に踏み込め
https://www.logi-today.com/374276
物流業界に衝撃、一石”多鳥”のタクシー配送
https://www.logi-today.com/376129
好調決算支える「運賃値上げ」が意味すること
https://www.logi-today.com/377837
■取材レポート
業界の“風雲児”MKタクシーに聞く「タク配」の可能性
https://www.logi-today.com/380181
その仕事、港湾でもできますよ -兵機海運取材レポート-(連載3回)
https://www.logi-today.com/386662