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ピコセラとスズキ、電動モビリティーに独自無線技術

2025年6月6日 (金)

調査・データ無線通信技術の開発を手掛けるPicoCELA(ピコセラ、東京都中央区)は6日、スズキ(浜松市中央区)の「電動モビリティベースユニット」に独自の無線技術を搭載し、物流業界や災害対策現場などでの省人化、省力化を目指す実証実験を開始したと発表した。現場の作業効率の飛躍的な向上や、人的コストとリスクの大幅低減を目指す。

(出所:PicoCELA)

同電動モビリティーベースユニットは、スズキが長年電動車いす開発で培った走破性と安定性を核に開発した。悪路や段差にも強く、屋内外を問わずスムーズに移動ができる。同モビリティーに、PicoCELAが独自開発した無線多段中継技術「PicoCELA Backhaul Engine」(PBE)を搭載する。

PBEは、自律的に通信経路を中継して、通信環境を構築できる技術で、広域エリアへ通信を拡張できる。PBEを搭載したユニットが移動するだけで、必要に応じて複数台が連携し、自動的に堅牢な通信ネットワークが広範囲に構築される。

これによって、トンネルや地下、プラント内部など、通信インフラが未整備、不安定な場所でもモビリティーを遠隔操作できるようになり、危険個所での作業が容易になるほか、一人でさまざまな作業が可能になる。

今回の実証実験では、具体的に物流業界や農業分野、災害対策現場での省人化、省力化を目指す。物流業界では広大な敷地内の在庫管理や無人搬送を1人でも遠隔管理できるようにして、作業時間や人員の大幅削減を目指す。農業分野でも数ヘクタールの農地を1人でモニタリングできるようにして、リアルタイムに農地の状況を把握できるようにする。災害対策現場では、危険区域の情報収集や物資運搬を遠隔操作で実施し、2次災害を防ぐとともに迅速な初動対応ができるようにする。情報収集にかかる時間も数時間から数十分に短縮する。

PicoCELAは「スズキの信頼性の高いモビリティー技術と無線多段中継技術を高度に融合させることで、モビリティが自ら通信インフラとなり、現場の作業効率を飛躍的に向上させる。この組み合わせ技術の革新性と、産業界に与えるインパクトの大きさを実証したい」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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