三井造船、新船型の11万重量トン型ばら積み貨物運搬船

ロジスティクス三井造船は21日、千葉事業所で建造していたリベリアのクリオマリン社向け11万重量トン型ばら積み貨物運搬船「ノルドハーキュレス」を完成し、同日引き渡した。

将来のパナマ運河拡張を視野に入れ、鉄鉱石、石炭、穀物類の効率的な海上輸送を目指し開発した新船型で、さらに新規則を取り入れることで環境性能・オペレーションの自由度・構造安全性の向上を図った、新設計のオーバーパナマックス型バルクキャリアの1番船となる。

ノルドハーキュレスは、パナマ運河拡張を視野に入れて船幅をオーバーパナマックス幅とし、汎用性を重視して主要な石炭揚荷港の制限を考慮した船型としつつ、載貨重量の最大化を図った。

主要想定貨物を鉄鉱石、石炭に加え穀物類とし、十分な船体強度と貨物倉容積を備え、貨物に合わせた効率的な配船が可能。最新の船首形状、船尾形状の採用、高効率プロペラ、省エネ装置装備により、省エネルギー化を図っている。

貨物倉とバラストタンク内は、SOLAS条約に基づいて設置した固定点検設備と可搬式梯子を組合せた。また、ブラジルの鉄鉱石積出港に対応した係船設備を採用、MARPOL条約の燃料油タンク保護規則に対応したほか、汚水溜タンクを設置するなど、環境保護に配慮した。

■主要目
全長：240.00メートル
長さ（垂線間）：233.04m
幅（型）：43.00メートル
深さ（型）：20.70メートル
総トン数：6万997
載貨重量トン数：110944メトリックトン
主機関：三井-MANB&Wディーゼル機関6S60MC-C1基
連続最大出力：1万3560キロワット×105.0回転/分
航海速力：14.5ノット
最大搭載人数：25人
船級：NK
船籍：パナマ