メディカル臓器保存技術を手がけるパラゴニクス・テクノロジーズ(米国)は28日、携帯型腎臓灌流保存システム「KidneyVault」を使い、ハワイ州からニューヨーク州とコネティカット州へ提供腎臓を長距離輸送し、移植手術が完了したと発表した。いずれも同一の提供者から摘出した腎臓で、民間航空機の貨物室を利用して運んだ。
左腎はホノルルからニューヨークまで4311.2海里、右腎はコネティカット州ハートフォードまで4353.8海里を輸送した。右腎の輸送ではデンバーで乗り継ぎ、摘出から移植までの総虚血時間は18時間29分となった。同社によると、提供腎臓の輸送距離としてはこれまでに確認された中で最長としている。
KidneyVaultは、低温状態で腎臓に保存液を循環させながら運ぶ携帯型装置で、輸送中も灌流を継続できる。保存温度は4度から8度に維持し、最大24時間の保存に対応する。移植チームは輸送中の保存状態をリアルタイムで確認できるという。
ハワイは米本土から距離があり、提供臓器の輸送では飛行時間や乗り継ぎ、便の運航状況が制約となる。今回の事例は、航空貨物輸送と携帯型保存装置を組み合わせることで、遠隔地からでも移植可能な時間内に臓器を届けられる可能性を示した。
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