調査・データTISI(東京都新宿区)と大阪大学量子情報・量子生命研究センター(大阪府豊中市)は30日、量子コンピュータを活用し、1万件超の電力リソースの組合せ最適化で、商用最適化ソルバーと同等精度の結果を得たと発表した。
両者は、少ない量子ビットで多数の最適化変数を表現できる量子最適化アルゴリズム「パウリ相関エンコーディング(PCE)」を活用。従来約20需要家規模だった検証対象を1万件超規模へ拡張し、希望する調達電力量を満たしながら、需要配分のばらつきを抑えた結果が商用最適化ソルバーの最適解と高い精度で一致することを確認した。
電力需給調整では、多数の家庭や事業者が持つ分散型電力リソースを組み合わせる必要がある。再生可能エネルギーの導入拡大や需要家ニーズの多様化に伴い、電力事業者やリソースアグリゲーターには、需給の安定化と調達コスト、需給リスクの抑制を両立する高度な運用が求められている。今回の成果は、量子コンピュータが実用規模の電力需給最適化に適用できる可能性を示した。
また、本成果は電力分野に加え、物流、金融、製造など多様な分野における複雑な組合せ最適化問題への応用も期待されている。
TISIは2026年度中に量子最適化アプリを試作し、脱炭素ソリューション「Carbony VPPプラットフォーム」との連携を検証する。今後は量子機械学習との融合を進めるほか、物流、金融、製造分野への適用も検討する。
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