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アセンド、原価計算の普及と新機能で運送業後押し

2026年9月10日 (木)

イベントアセンド(東京都新宿区)は11日まで開催されている国際物流総合展2026に出展した。

同社は今回、自社が提供する運送管理システム「ロジックス」の製品カタログを刷新し、「物理データとAI基盤」という位置づけで新機能を追加した。目玉となるのは、ドライバーごとの年間収支分析を日次・週次で、予測も含めて確認できる「日次収支モニター」だ。まだ収支分析のデータ基盤が整っていない事業者向けには、日割りの固定費や距離に連動する変動費(燃料費など)を車両・事業ごとに紐付け、理論値ベースの推定原価モデルを構築できる仕組みも備えている。

▲アセンドのブース

同社の導入支援責任者である田中亨介氏は、新機能の狙いについて「これまでも異常値を見つけて経営判断に生かす取り組みは行ってきたが、売上や収支を改善していくための要は、配車の現場にある。その配車の方々の行動変容を促すための仕組みが必要だった」と語る。

田中氏自身もドライバーや配車担当の経験を持つ。「現場は回転率や輸送効率に誇りを持って取り組んでいるが、売上目標や粗利ばかりを追ってしまいがちだ。売りを立てて粗利を出していても、『本当にそれが伴っているのか(儲かっているのか)』が見えにくかった」と現場の課題を指摘する。新機能では、例えば「1週間の売上19万5000円に対して原価8万3000円、想定収支は11万円以上のプラス」といった日々の収支が携帯電話から一目で確認できるようになっている。

▲アセンド導入支援責任者の田中亨介氏

さらに、蓄積されたデータを活用することで、車両ごとの売上100円あたりの燃料費・高速代の内訳や、地場・混載・長距離といった運行区分別の相関分析も可能になる。田中氏は「額面だけを見てしまうと、長距離を走って大きい車であればあるほど売上も粗利も大きくなります。ただ『本当にそうなのか?』と検証する視点が重要だ」と強調する。大型車や長距離運行が必ずしも収支ベースで優位とは限らず、コスト構造を可視化することで「『実際コストがかかっているのがこの部分なので、そこだけは負担してほしい』といった荷主への運賃交渉の材料としても活用できる」とエビデンスとしての価値を説明した。

また同社では、システム提供と並行して実践方法の普及活動にも注力しており、その一環として「原価計算まるわかり連続講座」を展開している。業界に根強く残る「どんぶり勘定」からの脱却を促し、自社の適正な原価把握に基づく価格転嫁や賃上げの実現を目指す取り組みで、これまでに延べ4000人以上が申し込んでいる。9月17日には、原価計算を通じて経営を立て直した運送会社経営者らが登壇する特別編が都内でリアル開催される予定で、業界全体の意識改革を精力的に進めている。

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