調査・データ厚生労働省は15日、長時間労働が疑われる事業場に対して2025年度に実施した監督指導の結果を公表した。全国2万9150事業場を対象に調査し、1万1228事業場、38.5%で違法な時間外労働を確認した。このうち、最長の労働者で月80時間を超える時間外・休日労働があった事業場は4991か所、月100時間超は2842か所、月150時間超は554か所、月200時間超も111か所に上った。
物流分野を含む運輸交通業では2423事業場を監督し、2072事業場で労働基準関係法令違反を確認した。違法な時間外労働があったのは1326事業場で、監督対象の54.7%に当たる。賃金不払残業は163事業場、過重労働による健康障害防止措置の未実施は400事業場だった。運輸交通業は、監督対象となった主な業種の中でも違法残業の確認件数が多い分野の一つとなった。
全業種では、労働基準関係法令違反が2万2882事業場、78.5%で確認された。賃金不払残業は1901事業場、過重労働による健康障害防止措置が未実施だった事業場は5919か所。さらに1万2811事業場に対し、医師による面接指導など健康障害防止措置の改善を指導し、4045事業場では労働時間の把握方法が不適正として是正を求めた。
前年度と比べると、監督指導を実施した事業場は2万6512か所から2万9150か所へ増えた一方、違法な時間外労働があった割合は42.4%から38.5%へ低下した。月80時間超の時間外・休日労働が確認された事業場も5464か所から4991か所へ減少したが、依然として高水準が続く。
自動車運転業務には24年4月から時間外労働の上限規制が適用され、特別条項付き36協定を締結した場合でも年間の時間外労働は960時間が上限となっている。一方、時間外・休日労働の合計について月100時間未満、2−6か月平均80時間以内とする規制は適用されない。物流業界ではドライバー不足を背景に労働時間の削減と輸送力確保の両立が課題となるなか、厚労省は11月の「過重労働解消キャンペーン」でも重点的な監督指導を行う方針だ。
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