荷主パナソニックホールディングス(HD)は5日、パナソニックR&Dカンパニーオブアメリカや海外の大学、研究機関などと共同で、指先の触覚に応じて両手作業を行うロボット操作AI「Tactile-Reactive Dexterous Manipulation(T-Rex)」を開発したと発表した。物流現場では、柔軟物や壊れやすい物品など、細かな力加減が必要な作業への活用を想定する。
T-Rexは、視覚と言語からロボットの動作を生成するVLAモデルに、指先から得られる触覚情報を組み合わせた。視覚と言語を処理するモジュールが毎秒5回の頻度で動作の大枠を生成し、触覚を処理するモジュールが毎秒20回、接触状態に応じて動作を補正する。物体の滑りや押し込み過ぎなどを触覚から捉え、画像認識を毎回やり直さずに素早く対応する。
学習には200種類を超える日用品と22種類の基本動作を組み合わせた7700件超、計100時間の両手ロボット操作データを使用した。頭部・手首カメラの映像に加え、10本の指先の触覚センサーから得られる力や変形の情報などを同期して記録した。ページめくりや卵の移し替え、鍵開け、電球のねじ込みなど12種類の実環境作業で評価したところ、平均成功率は65%となり、比較手法の35%を30ポイント上回った。触覚情報を使わない場合は42%だった。
研究成果は11月9〜12日に米国・オースティンで開催するロボット学習分野の国際会議「Conference on Robot Learning」で発表する。今後は製造現場での部品の挿入や取り外し、ねじ締めに加え、物流現場での柔軟物や壊れやすい物品の取り扱いへの応用を目指す。細かな力加減や接触状態に応じた調整が必要な作業をロボットが支援し、現場作業者の負担軽減や労働力不足の緩和につなげる。
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