MSCのインド人船員、日本経由でようやく帰国

ロジスティクスMSCは15日、貨物船「アナスタシア」のインド人乗組員が長い海上生活を終えて、ようやくインドに帰国できたと伝えた。MSCによれば同船は「貿易紛争の影響によって長らく中国沖での停泊を余儀なくされた多くの船」の1隻。海上で過ごした日数については言及していない。

同社によれば、コロナ禍において多くの国々が感染拡大防止のために入国管理体制を厳格化し、船員の交代を許可しなかったため、船員は任期を終えても帰国できずに事態は長期化。しかし各国政府との半年間の交渉を経て、ようやく10日に日本で乗組員を交代させることができたという。

なお、MSCは現在も世界中の海上で何十万人単位の船員が上陸を待っているとの見方を示しており、「この状況は船員の心身と世界貿易に深刻な混乱をもたらす」と警鐘を鳴らしている。