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野村不動産、「第7回 関西物流展」で示す次世代物流結節点の姿勢

再編の核Landportに物流戦略の焦点当てる

2026年3月25日 (水)

話題2024年問題が社会課題として浮上して以降、物流展示会の出展者数・来場者数は右肩上がりで増え続けている。物流に関する来場者の意識やリテラシーも高まり、出展者サイドも工夫を凝らしたブース展開でしのぎを削る。春の大展示会「第7回 関西物流展」出展に向けて、野村不動産ブース展示企画をけん引するのは、都市開発第二事業本部物流事業部事業企画課の山崎陽世里氏と山田千夏氏である。

▲山田千夏氏

「ことしの主役はLandport(ランドポート)。関西エリアへの挨拶代わりとなった昨年の出展時から、変化する社会背景も踏まえた提案、今後の事業戦略につながる“何か”を持ち帰ることができる展示にしたい」。そう語るのは、プロジェクトの中心を務める山田氏だ。

4月8日から10日までの3日間、インテックス大阪(大阪市住之江区)で開催される「第7回 関西物流展」には昨年に引き続いての出展である。昨年度、同社は年間を通じて、首都圏エリア以外への開発拡大、企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」を通じた社会課題解決に取り組んできた。改正物流法の施行と物流統括管理者(CLO)体制の本格始動に向け、展示会の場でも“物流のつなぎ直し” を訴えてきた。

Landportの開発コンセプトとテクラムの理念、どちらも野村不動産が見据える“これからの物流”のあり方を体現するもの。とりわけ同社にとって初出展となった昨年の関西物流展では、西日本の来場者に、より間口を広げて同社取り組みの全体像を知ってもらいたいとの意味合いが強かった。

「まずは私たちの物流事業がどこを目指しているのかを広く知ってもらうことが大きな目的だった。向かうべき目標に変わりはないが、ことしの関西物流展では、特にLandportを展示の主軸に据えた」(山田氏)という。

▲「第7回 関西物流展」の野村不動産 出展ブース・イメージ

Landportを主軸に据え、エリア拠点戦略問い直す

背景にあるのは、野村不動産が進める「西日本エリアでの物流拠点供給の本格化」である。これまでの首都圏中心の施設開発から、地域ごとの課題解決に貢献するエリア戦略へと拡大してきた。特に、関西・九州では大型新規開発、複数案件が同時並行で進む。物流施設の供給が「点」ではなく「面」として広がり始めた今、まずはその事実を市場に伝えることが重要な段階に入っている。

山崎氏は、「今回の展示で最も強く伝えたいこと、それは、関西・九州でLandportの拠点群が一気に立ち上がるというエリア戦略そのものであり、より具体的な運用提案ができるまでに深化したこと」だと明快だ。施設ニーズと比較して供給が十分ではなかったエリア、その物流改革にどんな形で貢献できるのか。施設供給の広がりと規模から明らかにする構成へと舵を切る。

▲山崎陽世里氏

ジャンルごとに区分けされた出展スペースも、前回の「搬送・仕分け・ピッキング」ゾーンではなく、「物流施設・不動産/建設/自治体」ゾーンへと場所を移す。「リーシングの現場感を反映した展示で、来場者には最初に『どこに、どれだけの拠点が生まれるのか』という全体像を伝えたい」(山崎氏)

その象徴となるのが、関西と九州の物流施設を一望できる大型マップ展示だ。

山田氏は、「来場者がブースに立った瞬間に、西日本で展開するLandportの広がり、それぞれの課題解決にどう取り込むかを直感的に理解できるようにした」という。「西日本でLandportの開発が本格的に進んでいるという事実を、件数と規模で体感してもらう」(山田氏)狙いだ。

物流施設の価値は個別スペックの比較だけで決まるものではない。どのエリアに、どの規模の拠点が戦略的に供給されるのか。今ある課題をどれだけ拾い上げ、これからの変化にどう対応できるのかという施設開発の知見や積み重ねこそが、拠点戦略を検証する企業にとって重要な判断材料になる。建築費高騰や用地確保の難易度も上がり、物流施設市場全体で見ると新規開発に慎重な傾向も見受けられる。しかし同社は、地域ごとの成長と経済活性化を後押しし、まだ解決策を模索する地方物流課題を置き去りにしない姿勢を、新規重要エリアへの積極的な施設供給で明確にする。

▲Landport 開発予定マップ(クリックで拡大)

関西エリア待望の大型Landport拠点供給相次ぐ

関西圏では、既存拠点と新規開発が重なり、Landportの存在感が急速に高まっている。

大阪府高槻市の「Landport高槻」は延床面積8万8416平方メートルの大型マルチテナント型施設で、すでに稼働中の拠点だ。大阪はもちろん、京都や兵庫など関西主要エリアを効率的にカバーできる北摂エリア立地の物件は、残り区画もわずかで、実際の施設内覧を経て判断することも可能だ。

大型の新規供給も続く。京都市伏見区では「Landport京都伏見」(27年5月竣工予定)、兵庫県伊丹市では「(仮称)Landport北伊丹」(28年4月竣工予定)の開発が進む。いずれもWランプの機動力と、幹線道路へのアクセスに優れる。都市消費圏配送と広域配送の機能を兼ね備えたエリア拠点として、また、幹線物流のスムーズなつなぎ目となることが期待されるマルチテナント型施設となる。

九州で広がるLandport多拠点ネットワーク

九州圏における今後の新規供給は、6棟・9万坪近くにおよぶ予定。拠点それぞれの“多様性”が何よりの特長となる。既存の「Landport福岡久山I」(福岡県糟屋郡)を合わせて7棟規模の大編成は、成長する福岡消費圏と半導体市場の一方で、エリアの農水畜産物の物流課題やモーダルシフト対応を見据えた選択肢の多さでもある。

福岡市内・近郊への配送ニーズとともに、九州広域のハブ機能を備えるシングルランプ型大型施設「Landport福岡古賀I」(古賀市)は27年4月竣工予定だ。九州の開発中物件の中でも先陣を切る大型施設として「今回のブースでは、この施設のジオラマ展示にも注目してもらいたい。エリア戦略を代表する施設の倉庫形状やスケール感など、具体的なイメージを掴んでもらえるはず」(山田氏)だという。

一方、福岡インターチェンジ(IC)近接地に計画される「(仮称)Landport福岡久山II」(久山町)は、都市隣接拠点としての即応性を重視した施設だ。コンパクトなボックス型ながら高い保管効率を確保し、古賀の施設とはまた違った戦略が構築できる。

九州北部では、北九州市の物流拠点構想とも連動する「(仮称)Landport小倉」(北九州市)が27年9月竣工予定。港湾・高速道路・空港が近接する立地を生かし、多様な物流モデルを支える拠点となる。また、地域製造業の受け皿としてのポテンシャルを持つ「(仮称)福岡苅田物流計画」(苅田町)も、27年4月竣工予定である。

さらに、「(仮称)Landport福岡古賀II」(古賀市、28年12月竣工予定)、「(仮称)鳥栖冷凍冷蔵物流施設」(佐賀県鳥栖市、27年10月竣工予定)も計画されており、九州エリア内で複数の物流機能を選択できる体制を整える。

関西、九州とも、地域のニーズを拾い上げて施設設計の細部まで検討し、エリア全体で拠点の役割を組み合わせることで物流戦略の可能性を広げる。山田氏は、「多様な施設構成や提案で、せっかく来訪してくれた人が“手ぶらで帰る”ことのないブースになる」と語る。

物流の中心・Landportから広がるつながり

もちろんテクラムの取り組みを後退させるわけではない。施設という「器」と、ソリューションという「仕組み」、両方を組み合わせて物流課題に回答するという同社の基本方針は、CLOの本格始動を機に今後むしろ鮮明になる。

「ほかにも、課題解決に向けて知見を集め合う『物流議論』、 CLOをバックアップする『CLOサロン』など、伝えたい野村不動産の取り組みはたくさんあるが、まずは順番に、ということ。物流施設が基本だが、ソリューション、サービス連携の提案まで、何かしらの収穫や発見があるはず。たった1回きりの出会いの場ではなく、長い付き合いの始まりの場にしたい」(山崎氏)

サプライチェーン全域のつなぎ直しには、技術の進歩や標準化によってデータがつながるだけではなく、やはり人と人とのつながりが不可欠だ。「関西物流展終了後、セミナーや内覧会などを設けて、より深く私たちの取り組みを理解してもらえるような交流の機会をつないでいきたい」と山田氏はいう。

「展示会だけでは、すべてを伝えること、理解してもらうことが難しいのは当然のこと。むしろ、これから積み重ねていくこと、続けていくことを大切にしたい。まずは、 ブースに用意したガチャガチャ抽選会に参加してもらうだけでも嬉しい。1人でも多くの人と私たち野村不動産との“最初の出会い”を実現したい」(山田氏)と呼びかけた。

「第7回 関西物流展」野村不動産 出展概要

会期:2026年4月8日(水)-10日(金)10時〜17時(最終日は16時まで)
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」が必要(登録無料。「案内状」だけでは入場できません)
https://kansai-logix.com

【野村不動産 展示ブース情報】
カテゴリー:物流施設・不動産/建設/自治体
ブース番号:B6-52