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燃料費上昇73%、物流費62%の全面高

中東危機、4割超が半年未満で事業縮小視野

2026年4月11日 (土)
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ロジスティクス帝国データバンク(TDB)が9日に公表した「中東情勢による原油価格高騰·供給不安の影響アンケート」で、マイナス影響があると回答した企業が96.6%に達した。影響の内訳では車両燃料費の上昇が73.4%、原油由来原材料の価格上昇が66.7%、物流費·輸送費の上昇が62.0%と、コストの全面高が並んだ。現在の原油価格水準が続いた場合、半年未満で主力事業の大幅縮小に至ると答えた企業は43.8%となった。本誌が10日に報じた極東開発工業·日本トレクスなど特装車·架装メーカーの塗装材料不足も、今回の調査が示した企業影響の一端に位置づけられる。(編集長·赤澤裕介)

燃料費上昇73%、物流費62%の全面高

調査は4月3日から7日にかけてインターネットで実施し、1686社が回答した。マイナス影響があると答えた企業は96.6%で、影響はないは2.3%、プラス影響は0.1%にとどまった。

影響内容を複数回答で聞いた設問の結果は次の通り。

コスト上昇と調達難が同時に進んでいることが数値でも裏付けられた。

業種別の特徴もはっきりしている。運輸·倉庫では車両·設備の燃料の調達難が55.9%に達し、全体平均を大きく上回った。価格上昇にとどまらず、燃料そのものの調達難が広がっていることを示した。製造業では原油由来原材料の調達難が68.9%で、ナフサ由来の樹脂·溶剤·包装資材の入手難が生産工程を直接止めかねない状況となっている。小売業では消費者·顧客の需要減退が64.3%で、価格転嫁の出口である最終消費段階の冷え込みがすでに意識されている。

自由回答欄には現場の声が寄せられた。運輸·倉庫の事業者は、トラック事業のため燃料の高騰と調達難の影響は避けられないとし、燃料サーチャージや補助金で対応するしかないと記した。建設業の事業者は、塗料用シンナーの調達が困難になっているとし、塗料についてもメーカーから大幅な値上げの通知が来ており一部の塗料は注文しても納品されないと記した。

この声は、本誌が10日付で報じた特装車·架装4社の塗装材料不足(/937466)とも重なる。

半年未満で43.8%が事業縮小視野

設問「現在の原油価格水準またはそれ以上がどの程度継続すると、自社の主力事業の大幅な縮小に至るか」に対する回答は次の通り。

半年未満で主力事業の大幅縮小に至ると答えた企業は43.8%に達し、1年以上耐えられると答えた企業は18.3%にとどまった。業種別では小売が半年未満54.5%、製造は3カ月未満のみで22.8%に達した。影響は広いだけでなく、耐えられる期間も短い。

物流事業者は、荷主側の業績悪化を通じた物量減·運賃下圧力と、自社の燃料·車両·資材コスト上昇の両面を受けるなか、燃料サーチャージや価格転嫁の交渉、燃料·資材の代替調達先の確保が4月から5月の実務課題になる。

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