世界初、バッテリーハイブリッドLNG燃料自動車船

ロジスティクス日本郵船は2日、同社とWallenius Lines（ワレニウス・ラインズ）が50％ずつ出資する欧州域内で完成車輸送事業を手がけるUnited European Car Carriers（ユナイテッド・ユーロピアン・カー・キャリーズ、UECC）が、中国の江南造船（集団）からLNG（液化天然ガス）燃料自動車専用船の引き渡しを受けたと発表した。「AUTO ADVANCE」（オート・アドバンス）と命名され欧州域内の完成車輸送に従事する。

LNGと重油を燃料とする二元燃料エンジンを搭載する、3隻目のLNG燃料自動車専用船。バッテリーハイブリッドシステムをLNG燃料自動車専用船としては世界で初めて採用しており、従来よりも効率的な主機関・発電機関の運転でさらなる燃費改善を図っているのが特徴だ。

バッテリーハイブリットシステムは、主機により駆動する軸発電機とバッテリーを組み合わせて用いることで、効率良く船内電力を供給し環境負荷を低減させる仕組み。発電機不具合の際にはバッテリーから船内に給電することで電源喪失を回避することで、安全な運航に寄与する。LNG燃料化とバッテリーハイブリッドシステムの搭載により、従来の重油だき船と比べて、硫黄酸化物は90％、窒素酸化物は85％、二酸化炭素は25％の排出削減を見込める。

■ AUTO ADVANCEの概要
全長：169.10メートル
全幅：28.00メートル
総トン数：3万5667トン
最大積載自動車台数：3661台
船籍：マデイラ諸島