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「ロジザード物流ロボットセミナー」報告/第5回

2022年6月16日 (木)

話題ロジザードが5月24日、LOGISTICS TODAY(東京都新宿区)と共同で開催したオンラインセミナー「ロジザード物流ロボットセミナー2022」の迫真レポート。第5回は、ロボット導入の落とし穴「目的化」に陥らないための心構えについて、登壇者が持論を展開します。

第1回から読む

<LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長>
要するにロボットの導入は手段のはずであったのに、目的化してしまっているということ。おそらく高額なものですので、導入検討される方も最初からロボットの導入が目的だと考えていらっしゃる方はいないと思います。実際に運用して成果を出していくにあたって、様々なつまずきポイントがあるために、いつしか目的と手段が入れ替わってしまって、「ロボットを入れる」「上手く動く」これを目的にしてしまう企業が多いんじゃないか。この点、WMS(倉庫管理システム)ベンダーのお立場からはどのように見えていらっしゃるのか、金澤社長いかがでしょうか。

導入の「後」のフェーズを見据えているか、それがロボット導入で失敗しない秘訣だ

<ロジザードの金澤茂則社長>
はい。つまずくという話の中で考えた場合にですけれども、入れたら良くなるといった発想の方、入れることが目的と同義なのかもしれませんけれども、その後に待っているフェーズがよく見えていらっしゃらない会社様は導入したけれど、つまずいてしまうこともあろうかな、と思っています。我々の立場から申し上げますと、どの人たちに使うかが曖昧なケースがすごく多い。一番わかりやすいのは「このお客様に使おう」と始まるケースは後からつまずきやすいです。一つの荷主だけにかたよりきった形で導入を目指していく話になりますと、どうしても固有の仕様と特性に縛られざるを得ません。どんどん機能を入れていって、最後には割高になっちゃった、みたいなケースは結構ありがちかなと思っています。

もちろん荷主企業様でしたら追求していただいて結構です。でも物流会社は少し違うスタンスで見ておかないといけないのかなと思っておりまして。1つの荷主企業に偏った導入をしてしまうと、ロボットとインフラの採算を常に個別で考える癖がついてしまうわけです。本当は別のお客さんも混ぜてしまえばいいのに、計算をしたいがために、いつまでも外に置かれたままになってる荷主様がいらっしゃる。そういったところはすごくもったいないなと、私は思っています。

そういう意味では、フォークリフトのように汎用的な道具と捉えて、どう使うかといったアプローチが一番いいんじゃないかなと思います。そうすると少なくとも最初のステップのイメージがついて、その次のフェーズの進み方が非常にわかりやすい。つまずかないで流れていくところに資すると考えます。

<赤澤氏>
なるほど。ありがとうございます。ここまでギークプラスの加藤社長とロジザードの金澤社長に、一般的にはどういうところでつまずきやすいのかという問いに対してのお話を伺って参りました。お客さんと一緒になって、課題を乗り越えていく経験をされているわけですが、たくさんの導入企業を実際にご覧になってきて、導入の成果についてうまくいった事例もあれば、そうじゃなかった事例もあるかと思います。その中でロボットメーカーあるいはWMSベンダーのお立場から、総体としてどんな評価をしていらっしゃるのか聞いてみたいなと思います。その評価に至るまでの、壁の乗り越え方をどういうふうにアドバイスされたかとか、深いところまで伺ってよろしいですか。

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