調査・データ国土交通省は7月31日、世界の海上荷動量を支える船舶の将来需要予測を公表した。国際機関などの2050年までのシナリオを基に輸送需要と必要船腹量を推計した結果、年間の建造需要は全体として増加し、35年に9000万総トン、50年には1億1000万総トンに達する見通しとなった。
予測では、タンカーやばら積み船、コンテナ船、自動車運搬船など従来型の船種で更新・新造需要が続く一方、エネルギー転換に伴い、水素、アンモニア、CO2などを運ぶ新たな貨物輸送船の需要が拡大するとみる。船舶燃料は当面、重油と天然ガスが大半を占めるものの、年を追うごとに新燃料やバイオ燃料の構成比が高まるとした。
需要予測は、経済成長や人口、エネルギー需要を考慮した経済モデルに加え、船齢構成や既存船の残存率、船種別の輸送品目・地域間輸送を踏まえて算出した。新貨物については、国際エネルギー機関の報告書などを基に海上荷動量と平均輸送距離を設定した。
国交省は、船舶の安定供給を経済安全保障上の課題と位置付ける。国内造船業の建造量が減少傾向にあるなか、今回の予測を海運・造船事業者の中長期的な投資判断や、次世代船舶の供給体制整備に向けた政策検討に活用する。今後は、需要見通しを踏まえ、日本の造船業の成長戦略を検討する。
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