メディカルミーカンパニー(東京都港区)は3日、医薬品約1万6000銘柄の供給状況を毎日可視化する「SCUEL医薬品安定供給ダッシュボード(S-SSD)」β版を無料公開したと発表した。供給情報と処方実態などの需要情報を組み合わせ、供給停止や限定出荷による影響、供給回復の実績などを一元的に確認できる情報基盤として提供する。
同社によると、厚生労働省が7月31日現在で公表した「医薬品供給状況一覧」を8月2日時点で集計したところ、限定出荷は978銘柄、供給停止は847銘柄だった。このうち382銘柄は薬価基準からの削除に伴う計画的な市場退出で、これを除く実質的な供給停止は465銘柄となる。
S-SSDは、厚生労働省が公表する供給情報や、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の回収・安全性情報に、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のオープンデータを組み合わせ、供給と需要の両面から分析する。
1万6000銘柄の供給状況を毎日更新し、6600品目の個別カルテ、47都道府県の地域レポート、261社のメーカー別ページなどを自動生成する。供給停止や限定出荷の状況に加え、年間処方量や地域分布、代替銘柄の数と出荷状況、メーカーが公表する製造能力や在庫情報なども確認できる。
地域フォーミュラリの推奨薬リストと厚労省の供給状況一覧を毎日照合し、推奨薬の供給リスクや代替候補、需要規模を地域ごとに表示する機能も備える。
また、2026年4月から蓄積している供給状況の記録を基に、限定出荷や供給停止から通常出荷に戻るまでの期間や割合を実測値として公開する。観測開始時点で限定出荷または供給停止だった1510銘柄のうち、8月2日までの123日間に通常出荷へ戻ったのは358銘柄で、回復率は23.7%だった。
同社は、メーカーや医薬品卸、病院、薬局、行政が共通のデータを参照できる環境を整え、発注行動の平準化や在庫偏在の抑制に寄与することを目指す。
S-SSDはβ版として公開し、主要機能はログインせずに利用できる。一部の詳細データは無料の会員登録が必要となる。現時点では製薬企業や医薬品卸を含むすべての利用者に無料で提供しており、今後は製薬企業や卸向けに、サプライチェーン管理や品質管理、経営企画などでの活用を想定した有償プランの提供を検討する。
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