ロジスティクス物流の品質、生産性、およびピーク体制を強化する自動化システムが動き出した。特筆すべきは、大幅な省人化を実現しながらも、重要な工程に人の手を意図的に残した点だ。
ディーエイチシー(DHC)は5日、川崎ロジスティクスセンター(川崎市)の自動化システムを本格稼働したと発表した。

▲本格稼働した自動化システム
物流オペレーションをより正確かつ効率的なものにし、安定した商品供給を目指す。同時に、従業員が働きやすい労働環境を具現化する。
同拠点は4フロア合計3万6000平方メートルの敷地面積を持つ。直営店92店舗や通信販売を利用する顧客に向けた出荷を担い、アパレルや健康食品、化粧品など9700品目を取り扱う。キャンペーン施策が当たるとオーダーが跳ね上がり、多い時で1日2万件の出荷件数に達する。これを支えるため、2023年稼働の自動倉庫システムに加え、今回新たに複数の設備を投入した。
同社は商品を自動で仕分ける立体型自動仕分け機や、ピッキングステーションへコンテナを運ぶ270台の自動搬送ロボットを稼働させた。梱包箱のサイズを自動認識する自動封函機や配送自動仕分け機も組み込み、作業効率を引き上げる。出荷件数は1日平均1万6000件と導入前の水準を維持しつつ、従来の半分の作業人数で同じ成果を出せる体制を作り上げた。
当誌の品質に関する質問に対し、長谷川俊一ロジスティクスユニット長が直接見解を述べた。

▲ディーエイチシーの長谷川俊一ロジスティクスユニット長
従業員の労働環境向上の一環として、空調の完備や作業しやすいマットの敷設を徹底する。顧客へのサービス品質向上については、注文商品を適切なタイミングで正確に届ける仕組み作りだと定めた。
さらに完全な機械化を避け、人の能力を残す方針も示した。丁寧なピッキングや梱包など人の方が優れている部分は今後も大事に扱う。顧客が箱を開けた時の第一印象を重視し、最終的な工程には人間の手が欠かせないと語った。
今回構築した物流基盤は完成形ではない。これから同社の物流を担う従業員が新たなアイデアを取り入れながら進化させる土台だ。プログラムをベースに改善点を見つけ、業務効率をさらに高めていく。

▲人の手による正確な物流オペレーション
この拠点が世代を超えて発展し、顧客への価値創出につなげる。安定したサービスを通じて顧客との信頼関係を築き、同社の掲げるパーパス「しあわせを、ふつうに。」の実現に貢献していく。(菊地靖)
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