イベント物流業界が直面するドライバー不足や2024年問題、CO2排出削減という社会課題の解決に向け、画期的な輸送技術が登場した。保冷車やエアサス車を使わず、温度帯の異なる荷物を普通トラック1台で運ぶ取り組みが、持続可能な物流体制の構築へ一石を投じる。
アバンタス(東京都港区)は、電源や保冷剤を使わずに24時間の保冷状態を保つ小型輸送ボックス「Avant-Cube」(アバンキューブ)を展開する。独自発注した厚さ6センチの真空断熱材を使用し、パネル接合部の隙間を極限まで小さく抑えた。特殊な流体を活用した衝撃・振動吸収機構も内蔵しており、普通トラックやバイク便で精密機器や医薬品の安全な輸送を可能にする。
国際総合物流展の同社ブースで、アバンタスの桶田一夫社長は「断熱材の品質向上に加え、接合面の密閉性を徹底的に追求した。衝撃吸収装置により、エアサストラック以上の制振性能を発揮する」と技術の強みを語る。
この技術に着目したのが、日本郵便輸送(同)だ。同社は他社と比較して保冷トラックの保有台数が少ないという課題を抱えていた。テレビ番組でアバンタスの技術を知った同社から連絡を取り、共同での実証実験(PoC)を開始した。
ブースに同席した同社東京支社の井上雅史首都圏営業本部副本部長は、「保冷車が少ないという自社の弱みを、普通トラックによる多温度帯混載という強みへ転換できる。実際の荷物を積み込み、温度変化の測定を重ねている」と説明する。

▲(左から)アバンタスの桶田一夫社長、日本郵便輸送の井上雅史副本部長
従来は常温、チルド、冷凍・冷蔵と温度帯別に複数台で運行していた車両を普通トラック1台へ集約することで、運行台数やドライバーの人数を減らすことができる。高額な専用車両への投資を避けながら燃料消費量とCO2排出量を削減する取り組みは、2024年問題と脱炭素の双方を解決する実効性の高い施策となる。
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