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マテハン最高売上、伸びを分けた二つの層

2026年10月8日 (木)

調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は5日、2025年度の物流システム機器生産出荷統計を公表した。国内主要メーカーの総売上は6907億円で、JILSの公表値では前年度比3.9%増、4年連続で6000億円を超えて過去最高水準となった。ただ、伸びの中身は一様ではない。半導体関連のクリーンルーム向けと海外向けが全体を押し上げる一方、国内のクリーンルーム以外向けは22年度をピークに足踏みが続く。そのなかで、ピッキング系や垂直搬送機といった庫内の省人化機器は、水準を切り上げている。16年度からの統計を手がかりに、設備投資の2つの層を読み解く。(編集委員・刈屋大輔)

過去最高の陰にある半導体と海外

25年度の総売上は、16年度の4626億円から9年間で49.3%増えた。ただし、JILSは今回の報告書で前年度の数字を精査して修正しており、24年度も6570億円から6650億円に改められた。3.9%増は修正後との対比で、25年度の数字も後に改められる可能性は否定できない。

増加を支えた層は、出荷先の偏りに表れる。クリーンルーム向けは16年度の1274億円から2413億円へと1.9倍になり、総売上に占める比率は27.5%から34.9%に上がった。対象業種は半導体や液晶、太陽電池などである。大手のダイフクの26年1-3月期決算でも、半導体生産ライン向けの受注が大きく増えており、背景には半導体関連の投資があるとみられる。海外向けも1405億円から2596億円に増え、比率は30.4%から37.6%となった。

機種別では、台車系は25年度に1970億円と、16年度比で2.2倍に膨らんだが、そのうち77%がクリーンルーム向けである。16年度からの総売上の増加額は2280億円で、クリーンルーム向けの増加分は1140億円と、半分ほどを占める。

クリーンルーム以外は横ばい圏

では、国内のクリーンルーム以外向けはどうか。公表値をもとに総売上から海外向けと国内のクリーンルーム向けを差し引いて試算すると(筆者試算)、16年度の2982億円から25年度は公表値ベースで4005億円へと、9年間で34.3%増えた。ただ、ピークは22年度の4288億円で、23年度以降は3940億-4000億円の範囲にとどまる。22年度比では6.6%減である。なお、この区分には製造業の組立ラインや病院、図書館など、通常の物流領域以外への出荷も含まれる。

出荷先の業種で見ても、同じ傾向がうかがえる。物流現場に近い倉庫・運輸と卸・小売の合計比率は、23年度の33.2%をピークに、25年度は23.1%まで下がった。ただし構成比は回答のあった分に基づき、23年度の卸・小売(27.0%)は単年で突出しており、回答の偏りもあり得る。機種別では、仕分機が22年度の303億円から25年度は165億円へと、46%減った。

国内のクリーンルーム以外向けでは、投資が一段高い水準に移ったものの、直近は踊り場にあるのではないか。少なくとも統計の上では、国内で省人化投資が加速していると言い切れる状況にはない。

庫内機器は一部で伸びが続く

一方、庫内作業の手間を減らす機器では、異なる姿が見える。デジタルピッキング表示器やピッキング台車を含むピッキング系は、20年度の65億円から25年度は130億円と、5年で2倍になった。垂直搬送機は、JILSの報告書では前年度比18.2%増の212億円で、バケットやカートンを運ぶケース・ピース用は52.0%増の48億円に達する。パレタイザ/デパレタイザは192億円と、統計の10年分で最高を記録した。ただし基数は788台から750台に減っており、金額の伸びが台数の増加によるとは言えない。25年度の数字は公表値で、垂直搬送機の前年度比は修正後の24年度が基準である。

これらは、荷役や搬送、ピッキングといった人手のかかる工程を機械に置き換える性格が強い機種で、自動化を模索する動きとも整合する。

もっとも、規模は小さい。ピッキング系、垂直搬送機、パレタイザ、仕分機の4機種を合わせても、総売上に占める比率は25年度で10.1%にとどまり、16年度の13.7%を下回る。総額を左右するほどの大きさではなく、全体の伸びとは別の層で動いている。

手がかりになるのは受注である。回答企業の範囲は出荷統計と異なるものの、25年度の受注額は9425億円と、出荷額(6907億円)を大きく上回る。25年度の出荷額は24年度の受注額の83%にとどまり、JILSは受注残の積み上がりが続いている可能性に触れている。人手不足を背景にした投資が、納入のの進展とともにどの現場から形になるのか。国内のクリーンルーム以外向けが踊り場にあるなか、その行方を見極める局面にある。

物流機器市場は4年連続拡大、海外向けも伸長

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