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UPU、郵便・物流のサイバー防御で国際連携要請

2026年7月23日 (木)

国際万国郵便連合(UPU)は22日、国際的なEC(電子商取引)と物流を支えるネットワークへのサイバー攻撃に備えるため、各国政府や郵便事業者、物流企業、関係機関による情報共有と共同防御を強化する必要があるとの見解を示した。

UPUが7月6日、スイス・ジュネーブで開催された「WSIS Forum 2026」で開いた討論会で提起した。ECの商品配送には、郵便事業者だけでなく、税関、航空会社、倉庫、陸上輸送事業者などが関わるため、1社や1か国のシステム障害が国境を越えてサプライチェーン全体に波及する可能性があると指摘した。討論会では、リアルタイムの脅威情報共有や官民連携を通じ、物流網全体を守る仕組みの構築を議論した。

UPUがv24年末に実施したサイバーセキュリティー調査には、加盟192か国のうち152か国が回答した。回答率は76%だった。調査では、リスク管理やインシデント対応、危機管理など基本的な対策の導入状況にばらつきがあり、各国の郵便事業者のうち、国家レベルのインシデント対応組織と連携している割合は3分の1程度にとどまった。業務負担が増える一方、予算や人材、技術的な専門知識が不足しているとの回答も目立った。

UPUは対策として、郵便分野に共通する最低限のサイバーセキュリティー基準を整備する「作業提案309」を進める。対応が遅れている事業者向けに、導入手順や研修、能力開発支援を提供する計画で、資金力や技術力の差が物流ネットワーク全体の弱点とならない体制を目指す。

また、郵便・物流分野向けの情報共有・分析センター「POST-ISAC」を活用し、信頼できる参加者間で攻撃情報や脆弱性情報を共有する。安全なデジタルIDを提供する「TRUST.POST」や、セキュリティー対策ツールを集約した「SECURE.POST」なども展開する。POST-ISACは、郵便・物流分野を対象とする世界規模のサイバー脅威共有拠点として6月に発足した。

討論では、組織犯罪や生成AI(人工知能)の悪用により攻撃が高速化、複雑化しているとの警戒も示された。UPUは、各国のサイバーセキュリティー当局や緊急対応チーム、世界税関機構などとの連携を広げ、個別企業による防御から、国際物流網を単位とした共同防御へ転換する必要があるとしている。

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