荷主ビー・アンド・プラス(埼玉県小川町)は10日、工場や物流倉庫向けに、5.7ギガヘルツ帯のマイクロ波を利用した高出力・長距離ワイヤレス給電(WPT)システムの開発を開始したと発表した。開発事業は埼玉県の「2026年度新技術・新製品開発支援補助金」に採択された。
国内の長距離ワイヤレス給電では、温度や湿度のセンシングなど低消費電力のIoT用途向けに、920メガヘルツ帯を利用した製品の導入が進んでいる。一方、工場や倉庫での予知保全や状態監視へのAI(人工知能)活用に向け、IoT機器から頻繁にデータを収集する必要があり、より高出力なワイヤレス給電への需要が高まっている。
新システムでは、5.7ギガヘルツ帯の高周波特性を生かして高利得の送電アンテナを形成する。920メガヘルツ帯のワイヤレス給電と同等のアンテナサイズで、2000倍以上の電力供給を目指す。増幅器の高出力化と高効率化を進め、システムの小型化と低消費電力化にも取り組む。
試作機による実証試験を通じ、製造現場で求められる機能の実装も進める。用途としては、製造装置の予知保全や加工品の品質管理に使うIoT機器への電力供給を想定する。特に回転・移動する部位のセンシングでは電池交換の頻度が高く、1メートル前後の送電距離と数百ミリワット規模の消費電力への対応が必要になるという。
同社は今後、利用企業による試験導入やPoCの要望に対応するため、開発成果を基に実験試験局に対応した製品のリリースを予定する。製造現場のIoT運用自動化を支援し、効率化や省力化への貢献を目指す。
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