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荷主は走行生データで物流ガバナンス対策を進めよ

2026年8月13日 (木)

イベント物流・運送業界は今、労働環境の改善やコンプライアンス順守、脱炭素(GX)要請、深刻な人手不足など、歴史的な変革期を迎えている。

こうした中、物流業務や現場の運用を運送事業者や3PL(サードパーティ・ロジスティクス)に「任せっきり」にしてきた荷主企業も少なくない。しかし、物流効率化法の改正や特定荷主のCLO(物流統括管理者)選任の義務化などにより、荷主企業自身の管理責任やガバナンスはこれまでにない厳しさで問われ始めており、もはや「任せっきり」では荷主としての法的リスクや環境リスクを回避できない時代に入った。

荷主企業が自社の事業基盤とサステナビリティを守るためには、自ら運行の「一次情報(生データ)」を可視化し、適切なガバナンスを強固なものにしていく姿勢が不可欠である。

中小運送会社が抱える「DX余力」と「どんぶり勘定」の壁

一方で、実際の運行を担う中小運送事業者の現場に目を向けると、荷主側の要望通りにデータ化やDXが進まない現実がある。

従来型のデジタコをはじめとする高度なITシステムの導入には数百万円単位の初期投資が必要となり、資本余力のない中小企業にとっては大きな負担となる。また、長年の習慣から運行管理や原価計算が「どんぶり勘定」のまま運用されており、正確なデータを取得・管理する意識や体制が十分に育っていないケースも多い。

荷主企業がどれほど「精緻なデータを出してほしい」と要求しても、運送事業者側の構造的な課題によって、データの提出が推測値や曖昧な数値にとどまってしまうのが実情だ。だからこそ、荷主側もこうした運送現場の事情を理解した上で、導入のハードルを劇的に下げるデータ活用アプローチを共創・支援していくべきだろう。時には、荷主企業自らが必要な機材やソリューションを選定し、運送会社へ支給・提供していくような主体的かつ実効性のある動きも必要となってくる。

この課題を突破する上で極めて有効となるのが、車両のECU(電子制御ユニット)から直接データを取得し、ごまかしの利かない生データをそのまま活用するというアプローチだ。カタログ燃費や曖昧な計算値に頼らず、ECUからダイレクトに吸い上げた高精度な走行・燃費データを活用することこそが、現場に過度な入力負荷をかけずに透明性の高い管理を実現する解となる。

荷主が「走行生データ」を手にする具体的なメリット

運送現場の生データ(ECUから直接取得される実走行距離・実燃費・走行時間など)がデジタルで共有されると、荷主企業には以下のような大きなメリットがもたらされる。

■サプライチェーン全体のESG・Scope 3対応の精緻化
現在、荷主企業にはサプライチェーン全体でのCO2排出量把握(Scope 3対応)が強く求められている。カタログ値や運行距離などを元にした「推計値」による報告ではなく、より実態に即した車両のECUからダイレクトに取得した「確固たる実測値(生データ)」を活用することで、監査やステークホルダーに対しても最高品質のエビデンスを提示できるようになる。

■適正原価に基づくフェアで透明性の高い運賃協議
国土交通省の「適正原価有識者会議」などでは、燃油の実費を適正原価の算出に適切に考慮に入れる案が示されており、今後はより精緻な燃油消費量の把握が不可欠となる。感覚や曖昧な推計値ではなく、1運行あたりのリアルな燃料消費量データを双方が共通の前提として持つことで、根拠のある納得感の高い価格協議や燃料サーチャージの適用が可能となり、コンプライアンスの順守と良好なパートナーシップの両立が実現する。

■法令順守リスクの排除と物流オペレーションの最適化
パートナー運送会社におけるコンプライアンス(事業許可更新制への対応やドライバーの労働時間管理など)の実態をデジタルデータで把握することは、荷主企業自身のコンプライアンスリスク・ガバナンスリスクの予防に直結する。さらに、リアルタイムな動態管理データを自社の倉庫管理システム(WMS)や出荷計画と連携させることで、トラックの荷待ち時間削減や荷降ろし作業の効率化といった具体的な改善施策を講じることができる。

データ連携のハードルを打ち破る「OBD2デジタコ」の存在

運送事業者のコスト負担や導入の手間を最小限に抑えつつ、こうした精緻な生データを取得・活用するためには、車両のECU(電子制御ユニット)から直接データを取得できる「OBD2デジタコ」の活用が極めて有効である。

OBD2型デジタコであれば、専門業者による工事を必要とせず、車両の診断ポートに挿し込むだけで精緻な生データを収集できるようになる。運送会社にとっては初期投資や稼働停止ロスを劇的に抑えてデジタコ化を果たせるメリットがあり、荷主企業にとっては精緻な生データをクラウド経由で容易に共有・連携できる基盤となる。

8月18日開催!オンラインイベントで「荷主と運送の共創DX」の全貌を公開

荷主企業と運送事業者が走行生データをいかに活用し、対等で強固なパートナーシップを構築しながら法規制リスクを回避していくのか。

その具体的なノウハウや最前線の事例をお伝えするオンラインイベント「トラック運送・生データ革命 ~推測値からの脱却と『浮いた原資』で構築する最強エビデンス。運送の“完全武装”が荷主の法規制リスクを救う~」が、8月18日(火)13時より開催される。

本セミナーには、物流DXエコシステムを牽引するリーディングカンパニーが結集し、次世代の物流経営および荷主・運送連携の全貌を明らかにする。CLOや物流部門責任者、ESG担当者の皆様は、ぜひ自社のリスクマネジメントと持続可能な物流体制構築のヒントとして役立ててほしい。

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【開催概要】

日時:2026年8月18日(火)13時-15時
形式:オンライン開催(YouTube Live)
参加費:無料(事前登録制)
対象:荷主企業の経営層・CLO(最高物流責任者)・物流部門責任者・ESG担当者、運送会社の経営層・運行管理者・DX推進担当者