川崎重工、環境対応を高めたLPG運搬船引き渡し

ロジスティクス川崎重工業は29日、KUMIAI NAVIGATION（クミアイ・ナビゲーション、シンガポール）向けにLPG（液化石油ガス）燃料推進LPG運搬船「CRYSTAL OASIS」（クリスタル・オアシス）を引き渡したと発表した。

クリスタル・オアシスは、LPGと低硫黄燃料油を燃料とするLPG二元燃料LPG運搬船。従来のLPG運搬船にLPG二元燃料主機関を採用した新船型の4番船だ。川崎重工業が引き渡したLPG運搬船としては67隻目となる。

近年、船舶における排出ガス規制への対応策として、重油の代わりに液化ガスを燃料とする船舶の導⼊が世界的に進んでいる。クリスタル・オアシスは、温室効果ガスの排出量を削減できるLPGを燃料とすることで、大幅な環境負荷低減が見込める大型LPG運搬船。川崎重工グループがこれまで建造してきたLPG運搬船やLNG（液化天然ガス）運搬船、LNG燃料推進船の建造で培った知見を活用した。

川崎重工は今回のクリスタル・オアシスの引き渡しを契機として、全世界的に強化されつつある環境規制やSDGsを含めた具体的な行動計画を踏まえ、環境規制に対応した各種商船や次世代エネルギーとして注目される液化水素運搬船など、地球環境にやさしい船舶技術を開発・提供することにより、低炭素・脱炭素社会の実現に貢献していく。

■CRYSTAL OASISの概要

全長：229.90メートル
幅：37.20メートル
深さ：21.90メートル
満載喫水：11.60メートル
航海速力：約17.0ノット
定員：29人
総トン数：4万9943トン
載貨重量：5万5090トン
貨物倉容積：8万4244立方メートル
船級：日本海事協会（NK）
船籍：シンガポール