川崎重工、8月打上げロケット用フェアリングを出荷

出荷されたイプシロンロケット試験機用フェアリング

荷主川崎重工業は23日、宇宙航空研究開発機構（JAXA）内之浦宇宙空間観測所に向け、イプシロンロケット試験機用フェアリングをて出荷した。

フェアリングは同社岐阜工場（岐阜県各務原市）で設計・部品製造を経て、播磨工場（兵庫県播磨町）で組立後に出荷したもので、内之浦宇宙空間観測所でイプシロンロケット試験機に組み込まれる。

同ロケットは、JAXAが中心となって開発した惑星分光観測衛星（SPRINT-A）を搭載する予定で、8月22日の打ち上げに向けて準備作業が進められている。

出荷したフェアリングは、イプシロンロケット用に開発した直径2.5メートル、長さ9.2メートルのクラムシェル型で、内部に格納された衛星などにアクセスするドアの開閉作業を容易にすることで、打ち上げ前の衛星へのアクセス可能時間を拡大させるなど、運用性を向上させた。

また、コーン・シリンダ半殻一体構造や水没性パネル、貼付式断熱材を採用することで、打ち上げ費用の低減にも寄与する。

フェアリングは、衛星を格納する部分で、ロケット先端部に取り付けられ、打ち上げ時の空気抵抗、空力加熱、音響（振動）などの過酷な環境から衛星を保護する。