産業・一般ウフル(東京都港区)は29日、C-UNIT SQUARE(名古屋市港区)と共同で7月16日に開催した製造業向けセミナー「フィジカルAIへの第一歩―製造現場が『今から』できること」の内容を公表した。
セミナーでは、人とロボットが協働するフィジカルAIの実用化を見据え、製造現場が現時点で進めるべきデータ活用やデジタル化、人とAI(人工知能)の役割分担について紹介した。
ウフルの古城篤CRO(最高研究責任者)は、ヒューマノイドやVLA(Vision-Language-Action)モデルなどの関連技術が急速に進歩する一方、製造現場では設備や安全性、現場固有の知識などに課題があり、本格的な実用化にはなお時間を要するとの見解を示した。

▲セミナーの様子(出所:ウフル)
講演では、ベトナムの楽器製造工場に導入した「AI製造オペレーション支援システム」を事例として紹介した。AR(拡張現実)、VLM(Vision Language Model)、マルチモーダルRAGを組み合わせ、作業者の状況に応じて必要な情報をリアルタイムに提示する。
既存設備を生かす「レトロフィット」と、現場への影響を抑える「最小侵襲」の考え方に基づき、フィジカルAI時代に向けた現場基盤を構築する取り組みとして説明した。
また、現場や作業のデジタル化、手順書や暗黙知のデータ化、人とAIの責任分界の整理など、将来どのような技術が普及しても活用できる基盤づくりの重要性を示した。
ウフルは、「状況観測」「知識付加」「ティーチング」「責任分界」「自律稼働」の5段階で構成する「フィジカルAI導入レベル」も提示した。ロボットがなくても着手できる取り組みから、段階的にAI活用を進める考え方を提案している。
C-UNIT SQUAREは、ARを活用した作業支援をテーマに講演した。製造現場の教育や作業支援、品質向上に向けた活用事例を紹介し、作業者へ必要な情報を視覚的に提供することで、技能継承や作業品質の向上につながる可能性を説明した。
講演後には、フィジカルAI導入に向けた具体的な準備やデータ整備、AIと人間の役割分担、AR活用などをテーマに質疑応答を行った。参加者同士による、今後の技術活用や協業の可能性についての意見交換も実施した。
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