調査・データ矢野経済研究所(東京都中野区)は5日、国内の物流15業種を対象とした市場調査の結果を発表した。2025年度の物流15業種総市場規模は、前年度比2.3%増の25兆3600億円となる見込み。貨物輸送量の本格的な回復には至っていないものの、運賃や保管・荷役料金などの価格改定を背景に、金額ベースでは市場の拡大が続くとみている。
24年度の市場規模は同5.7%増の24兆7940億円と推計した。海運、フォワーディング、一般港湾運送、航空貨物輸送などの国際物流分野に加え、3PLが市場拡大をけん引した。紅海情勢の悪化に伴うスエズ運河の迂回輸送で海上運賃が上昇したほか、円安も押し上げ要因となった。国内では、トラックドライバーの時間外労働上限規制への対応を背景に、運賃・料金の見直しや附帯作業料金の明確化が進んだ。
25年度は、海上・航空運賃上昇の反動や米国の関税政策を巡る不透明感などから、フォワーディングや外航海運の一部で市場縮小を見込む。一方、国内では3PLが引き続き市場拡大に最も寄与し、普通倉庫、冷蔵倉庫、宅配便、鉄道貨物輸送・鉄道利用運送、軽貨物輸送も拡大する見通し。輸送単価の上昇や為替の影響が大きく、市場規模の伸びと貨物量の増加が必ずしも一致しない状況が続く。
26年度の総市場規模は3.9%増の26兆3610億円と予測する。国際物流分野が再び拡大に転じるほか、国内では3PLが成長をけん引するとみる。宅配便では取扱個数の伸びが鈍化する一方、運賃改定が実勢単価へ徐々に反映され、普通倉庫や冷蔵倉庫でも保管・荷役単価の上昇が続くとしている。
調査は26年4-6月、国内の有力物流事業者などを対象に、面談と文献調査を組み合わせて実施した。対象は特別積合せ貨物運送、宅配便、3PL、海運、港湾運送、航空貨物、フォワーディング、鉄道貨物、軽貨物、普通・冷蔵倉庫、引越など15業種。市場規模は各業種の事業者売上高を積み上げて算出しており、一部重複を含む。
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