物流展特別企画、JILS総研･北條英所長インタビュー

2023年9月14日 (木)

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話題国際物流総合展2023 第3回 INNOVATION EXPOが13日、開幕した。会場となる東京ビッグサイト（東京都江東区）にはこれまでで最大規模となる401社、1230のブースが出展、2024年問題への関心の高さからか多くの来場者でにぎわっている。

LOGISTICS TODAYは展示会の2日目となる14日、熱気あふれる会場で、イベント事務局次長を務める日本ロジスティクスシステム協会（JILS）総合研究所所長・北條英氏に話を聞くことができた。

▲イベント事務局次長の北條英氏

──すごい熱気、大盛況ですね。今までの来場者とは少し雰囲気が違うような気もしました。初日の来場者は1万2000人を超えたそうですね。

「おかげさまで3日間の目標を3万人突破としていましたので、4万人まで届くかどうかですね。今までの物流展とは違う、新しい方がいらっしゃっているという感じがします。もちろん最終評価はまだですが、現状80点、十分合格点と言えるのではないでしょうか」

──物流危機への関心の高さがうかがえます。

「政策パッケージの発表が大きかったと思います。特に我々として興味深いのはCLO（Chief Logistics Officer）の配置に言及されたこと。荷主の経営レベルにおいて物流からKPIを管理する物流担当役員が求められたことで、それに向けた対応にも関心が高まっています。物流現場への丸投げではなく、発荷主、着荷主、物流業者が連携して、国からの宿題にどう対応するかが重要です」

──荷主からもCLOへの関心が高いわけですが、導入に対して形骸化しないことが大事ですね。

「経営そのものに関わるKPIを扱えること。また会社の縦割りではなく、ロジスティクスの横割りの発想で対応できる役職であることが、CLOのあるべきイメージでしょうか」

──部門横断的に経営指標に関与できるとするならば、CLOはもはや経営者レベルのイメージですね。

「JILSで8月に会員向けに行った、各事業社においてどんな人材がCLOにつくべきかというアンケートでは、現在の役員クラスを置くべきという回答が圧倒的でした。サプライチェーン全体の中でコンプライアンスを見据えて調達先を選定するといった、グローバルレベルの管理力がCLOには求められます。どこまで本気で取り組めるかが、荷主に問われているのだと思います」

──2024年問題、運送事業者にとっては厳しい局面になります。

「物流コストの増加を、ちゃんとドライバーの地位向上につながっていく経営体質に出来るのか。そのために、ロードファクターを上げること、商流との連携で、発荷主、着荷主が、部門横断的に発注ロットの効率化も進め、政策パッケージにどう対応していくのか、これからも注視しなくてはなりません。DX（デジタルトランスフォーメーション）化、AI（人工知能）活用などの技術発展や、日用品、食品加工業界で先行している協調領域での社会的課題解決を進めて、業界が変容する契機とならなければならないでしょうね」

──来年9月には、本家とも言える「国際総合物流展」が開催となります。どんな展示会になりそうですか。

「すでにドライバーの労働時間の上限規制が施行され、トラック自体の総量も減少してその具体的な影響も顕在化しているはずです。どれだけ、積載率を上げられたのか、ドライバーの待機・荷役時間を減らせたのかなど、具体的なデータ、成果を見ながら、次の一手を確認できる場になるのではないでしょうか。特に、荷主の皆様に来ていただけると良いですね」

──最後に、国際物流総合展2023 第3回 INNOVATION EXPOは15日まで、明日は最終日です。最終日にいらっしゃるお客様に、北條さんのおすすめを教えてください。

「個人的に興味深かったのは、コストセンターとしてではなく、物流の産業化を示す展示です。例えば、物流不動産の展示ブースは、それぞれ趣向を凝らした内容となっているので、業界に詳しくない方にとっても面白いのでは。若い方にも関心を持ってもらえると嬉しいです」