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寄り添う育成で不安払拭、プラウドパートナーズが現場定着まで伴走

運転手200人内定、手厚い安全支援と循環モデル

2026年7月29日 (水)

記事のなかから多くの読者が「もっと知りたい」とした話題を掘り下げる「インサイト」。今回は「特定技能ドライバー内定200人、Proud Partners」(6月23日掲載)をピックアップしました。LOGISTICS TODAY編集部では今後も読者参加型の編集体制を強化・拡充してまいります。引き続き、読者の皆さまのご協力をお願いします。(編集部)

話題「採用して現場に配属し、あとの教育は現場任せにするという姿勢を改める必要がある」。Proud Partners(プラウドパートナーズ、東京都新宿区)の岡村アルベルト取締役は強く呼びかける。

同社は6月、自動車運送業分野の特定技能人材で内定者が200人を突破したと発表し、物流現場への人材輩出が想定を上回るスピードで進んでいる。本誌は、岡村氏と社長室のイブロヒモワ・ズライホ氏に取材し、育成の実態や課題に迫った。

想像を超える言語習得力

プラウドパートナーズがウズベキスタンで展開する教育スキームは、当初入学から6か月で日本語試験に合格する計画を立てていたが、3か月強でJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)と自動車運送業 特定技能1号評価試験に合格する者が現れ、8人が日本での特定技能1号ドライバーとしての入国条件を満たした。

▲プラウドパートナーズの岡村アルベルト取締役

岡村氏は「想定以上に早いスピードで生徒たちが試験に合格している。ウズベキスタンの方々は耳がよく、ポテンシャルが想像以上にすごい。他言語を吸収するスピードが高く、日本語での会話も我々に近いイントネーションで話す」と要因を分析する。

同社では教育カリキュラムを細かく設定して頻繁にクラス分けを実施し、毎週のように小テストを行うなど、個人のレベルに合わせた学習環境を構築した。

文化の違いと給与の壁

一方で、日本語の難しさやごみの分別といった日本の文化になじめず、自主退学する者も一定数存在する。しかし岡村氏は「日本に来てから息苦しさを感じるより、事前育成の段階で判断できるのは、本人にとっても、日本にとっても結果的にはいい」と語り、日本に渡航してから地域社会とトラブルを起こす事態を未然に防いでいる。

この取り組みにはチェコの首相や日本の国土交通省も視察に訪れており、日本政府が外部事例として公表するなど、海外政府からも注目を集めている。

現地で直面した課題も存在する。ウズベキスタンでは公的医療は原則無償等、旧ソ連時代の影響もあり、医療・年金制度は日本語とは全く異なるため、額面から社会保険料を差し引く日本の給与システムへの納得を引き出す作業に苦労したという。

ズライホ氏は「ウズベキスタンでは、年金などの社会保険が日本とは全く違う。税金や保険の種類が少なく、固定残業代など日本の仕組みをウズベク語でわかりやすく説明するよう工夫している」と明かす。

▲プラウドパートナーズの社長室イブロヒモワ・ズライホ氏

一人乗務の安全を守る

内定者が200人を突破した背景には、営業部門の地道な活動が存在する。当初から内定人数を目標に掲げていたわけではなく、営業担当者が顧客のもとへ直接足を運び、丁寧にすり合わせを行って厚い信頼を勝ち取ったことで、1社あたり最大30人といったまとまった規模の採用依頼に結びついた。今月末には日本のバス会社がウズベキスタンへ視察に訪れる予定であり、今後はトラック業界だけでなくバス業界への人材輩出も進める方針だ。

トラックドライバーは運転時に一人で業務を完結する特殊性を持ち、交通安全は人命にかかわる重大な問題となる。第1弾として連携し300人のドライバー育成を目指すイズミ物流(東京都千代田区)とは、早ければ初秋より現地で開始予定の安全講習と実地訓練において、同社の安全基準やノウハウを詰め込んだ独自マニュアルを使用し、日本の交通ルールや路上駐車禁止など業界の常識を省略せずに教育する。

岡村氏は「受け入れたらあとは手放しというマインドを捨てる姿勢が大切だ。ルート説明をどこまで丁寧にしたらいいのか、路上駐車が駄目だといった基本的なルールを省くことなく、自社で育成の仕組みを作れるかがポイントだ」と受け入れ企業に警告する。

プラウドパートナーズでは手厚いアフターフォローを実施しており、就労する本人や企業側と、対面で3か月に1回、オンラインで月1回の頻度で対話する。岡村氏は「怒られた理由が路上駐車の教育不足なら、教育スキームに入れた方がいいと企業に提案し改善するサイクルを回す」と語る。現場で発生したトラブルの理由をヒアリングし、次回の安全講習や企業への提案に直接フィードバックするため、狭い道での実地研修と事故を想定した詳細なシミュレーション教育が極めて重要となる。

データで示す外国人材の価値

同社は外国人材を取り巻く環境の整備にも乗り出した。外食業界でこの4月、特定技能1号のビザの新規発行を突然停止する事態が起きたためだ。

岡村氏は一部の事象で制度が揺らぐ状況に危機感を抱き、同業の大手支援機関と特定技能コンソーシアム(TGC)を設立した。

岡村氏は「同じ年齢層で比較すれば、外国人材の犯罪率のほうが日本人よりも低い事実を客観的なデータで証明できる」と語る。

外国人材が納める税収の多さなどをデータで提示して適正な制度運用を促す狙いを持ち、支援機関のレベルの偏りをなくすため、TGCとして独自の認証マーク制度の創設も検討している。

市町村と組む循環型モデル

日本企業が海外進出する際の課題解決として、循環型ビジネス構想も推進する。日本で数年間働き、日本の常識や習慣を身につけた人材が帰国後、現地に設立した日本企業の子会社で再雇用されるモデルだ。

今後は人材育成の拠点を東南アジアなど他の国にも広げる方針を持つ。国単位の交渉ではなく、地方の市町村単位で空き校舎などを活用し、公共事業として教習所を整備する形をとってスムーズに進出している。

最後に岡村氏は「様子見している企業は、外国人材が安心だと確信を持てない。まずは業界全体に安心材料を提供し、市場の熱を上げたい」と強調し、さらなる普及へ意欲を見せた。

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