調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は27日、2022年6月からことし6月まで実施した「為替に関するアンケート調査」の分析結果を公表し、長期化する円安への適応が進む一方で、業種や取引構造による企業間格差が拡大しているとの見方を示した。
調査によると、6月時点で1ドル163円前後の円安水準が経営に「マイナス影響」を与えていると回答した企業は40.7%となり、2024年6月調査の54.4%から13.7ポイント低下した。価格転嫁への取り組みや、企業が円安を経営計画に織り込む動きが進んだことなどが背景にあるとみられる。一方で、大企業では41.1%がマイナス影響と回答し、中小企業の40.6%を初めて上回った。
業種別では、卸売業で52.6%がマイナス影響と回答し最も高かった。ただし、24年調査からは改善した。一方、小売業は49.8%と前回調査を上回り、仕入価格の上昇分を販売価格へ十分に転嫁できない状況が続いているとみられる。
物流業界では、運輸業の円安への負担感が依然として大きいことが浮き彫りとなった。希望為替レートでは、「1ドル135円未満」を望む企業が55.6%に達し、全産業で最も円高を求める割合が高かった。燃料費の上昇が事業コストを直接押し上げる構造が背景にある。
調査では企業全体の希望為替レートの中央値は140円となり、22年調査の110円から段階的に円安方向へ修正されたものの、実勢レートとは20円以上の開きが残る。TSRは、コスト上昇分を最終価格に反映させやすいBtoB取引と、消費者向けで価格転嫁が難しいBtoC取引との違いが企業間格差の背景にあるとし、円安がさらに進行すれば企業間の二極化が一段と拡大する可能性があると指摘している。
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